駿河湾と遠州灘を二分して、太平洋に突出した岬の先端にあるのが御前埼灯台です。 黒潮と駿河湾の瀬流が、激しくぶつかり合う上に、御前岩を初め多くの暗礁が散在在しており、 昔から海の難所として、船人に恐れられていました。
寛永12年(1635年)御前埼灯台の場所に「見尾火灯明台(高さ2.8メートルで3.6メートル四方の建物で、 海上から見える三面を油障子で囲み、中央に油灯を置き、灯明番として、村人を賦役・油代と障子張紙代が、 幕府から支給)」が設置され、240年余続いたのですが、明治4年4月8日、旧幕府が建造した軍艦が、 灯明台沖合いのセイゴ根に座礁したため、明治政府は事態を重視して、高さ5メートルの台に2.6メートル・ 八角形のガラス張りの灯室のある灯明台に改良し、灯明台専任の勤番を置き、下役5名を灯明堂近くの五軒長屋に住まわせましたが、 僅かな年数で西洋式の灯台に生まれ変わりました。
明治5年に、お雇い外人英国人リチャード・ヘンリー・ブラントンの指導のもとに工事が開始され、 同7年5月1日、点灯を開始。その時のレンズはフランス製の美しい八面構成の、回転式一等レンズで我が国最初のものでしたが、 第二次世界大戦の時に、(昭和20年7月24日からの)艦載機と艦砲射撃によって、レンズや灯器が破壊され、 灯塔に無数の銃弾を浴びたため、戦災復旧工事(昭和24年3月24日)が行われ明治の面影をとどめる美しい灯台に戻っています。 灯台の光りは、560,000力ンデラで19.5海里(約36km)とどきます。
●御前埼灯台リーフレット
御前埼灯台リーフレットをPDFで公開しています。画像をクリックして下さい。
●灯台へのアクセス
☆鉄道・バス
・JR東海道本線菊川駅下車
菊川駅前~(静鉄バス菊川浜岡線)~浜岡営業所下車(約40分)~(静鉄バス御前崎市内線)~御前崎海洋センター下車(約30分)、徒歩約10分
・JR東海道本線静岡駅下車
静岡駅~(静鉄バス日本平線)~相良営業所(約1時間10分)~(静鉄バス相良御前崎線)~御前崎海洋センター下車(約25分)、徒歩約10分
☆自動車
・東名高速道路相良牧ノ原IC~国道473号、県道241号、240号経由 約30分
・東名高速道路吉田I C~国道150号、県道241号、240号経由 約40分