水ノ子島は,四国と九州を分かつ豊後水道の真っ只中にある一木一草もない孤岩であり,いちばん近い陸岸の梶寄からでも7.5海里ある。
灯塔は,石造で徳山産の花崗切石を装石積みとしたもので,内部は8層になり,1階は貯水槽,2・3階は用品庫,4・5階は燃料庫,6・7階は詰員寝室となっていた。工事期間は,4ヶ年,1基の灯台を建設するため4ヶ年を要したのは水ノ子島灯台をおいて他になく,本灯台の建設工事は屈指の難工事のひとつに数えられている。
灯台は低い島の上に立っているため,台風期には打上げる波が灯台付属舎の屋根を越えることも珍しくはなかった。大正元年9月22日の台風において,灯台頂部まで怒濤の飛沫に包まれたと記録にある。昭和16年10月1日の台風には,巨浪は灯塔7階の寝室まで上がり,気象測器,発電機等の機器類はことごとく浸水し,船着場は決壊したと記録している。


