我が国を代表するレンガ造りの灯台である。
木材が千葉県鹿取郡の産,花崗岩が茨城県筑波郡北条町産,レンガは灯台寮技師中沢孝政が国産レンガの完成に腐心し,ついに香取郡高岡村高田に良質の土を発見し,土地の旧藩士に製造法を伝授し外国品に比べて遜色のない優良なレンガを得た。灯台,付属舎,宿舎には19万3千枚のレンガが使われている。
設計者はR・H・ブラントンである。
建設当時,光源は石油灯であったが,第一等レンズで27,500燭光でまばゆいばかりの光であった。灯台の落成間近に,この巨大なレンズを見た漁民は驚きおそれ「灯台成り,大洋灯を点じ海上を照らすに至れば,これがため沿岸の魚族の棲息を絶ち,漁民は特に大いなる悲運に遭遇すべし」と灯台建設の即時中止の請願運動を展開したが,灯台点灯の翌年にカツオがまれにみる豊漁となり,杞憂であることが分かった。
昭和62年度耐震補強に合わせた保全が実施された。





<犬吠埼 灯台展示資料室>